物理現象の中には、ある入力に対する系の出力の一部が、故意もしくは自然に、入力側に帰還(feedback)されて、系全体の応答が決まっているものが多くある。 「フィードバック」の概念は、系の安定性や発振現象、系に加えられた刺激に対する応答の静的および動的特性などにおいて中心的役割を果たす。 そのため、基礎的にも工学的にも(あるいは社会的にも)重要な概念となっている。 ここでは、フィードバックを最も有効に利用している回路要素としての演算増幅器(Operational Amplifier = OP アンプまたはオペアンプ)を使って、種々のフィードバック系を構成することにより、フィードバックに関する基本的理解を深め、さらにアナログ計測に利用される OPアンプの使用法の一端に触れることを目的としている。 なお、本テーマは A1、A2 および F2 の内容と密接に関係しているので、合わせて理解して欲しい。 | (E1 フィードバック の実験装置) |
線形システム応答論に関しては多くの成書があるが、入門書としては次のようなものがある。
非線形系については、下記は一読の価値がある。
OPアンプについては、例えば以下のものがある。