F パーソナル・コンピュータ

F1 パーソナルコンピュータを利用した研究環境

はじめに

コンピュータは、その名の通り、もともとは「計算機械」として誕生したが、今や、あらゆる種類の情報処理の中核をなす機器として、オフィス、生産現場、家庭など生活の様々な分野に欠かせないものになっている。 研究所や大学の研究室において日常行われる様々な活動(科学計測、データ解析、論文作成、情報収集など)においても例外ではない。 特に、パーソナル・コンピュータと呼ばれる比較的低価格で高性能の小型コンピュータが容易に入手できるようになって以来、この分野でもコンピュータの利用は急速に進んでいる。

コンピュータは、データ解析、測定装置の制御等に盛んに用いられ、科学計測の分野に大きな進展をもたらしてきた。 コンピュータを利用することで、計測と解析の効率が格段に進歩し、短時間に大量の測定データを収集し解析することが可能となった。 また、コンピュータの著しい発展の結果、コンピュータは単なる計測の手段にとどまらず、コンピュータを舞台にした理想的な(または現実には実現不可能な)環境下での実験手法(シミュレーション)―いわゆる計算科学が誕生し、現代科学の中できわめて重要な地位を占めつつある。 さらに最近では、研究者にとって情報の発信、交換、受信の手段としてのコンピュータ・ネットワーク(インターネット、電子メールなど)は欠かすことのできない存在になっている。 発表論文の検索・閲覧は言うに及ばず、論文の投稿、未発表論文の調査、情報のやりとりなどがネットワークを介して盛んに行われている。

本実験では、以上のようなコンピュータを利用した様々な研究環境に網羅的に触れることにより、研究遂行上必要となるコンピュータの利用法についてのイメージをもってもらうことを目的としている。なお、本実験で行うコンピュータシミュレーションの1課題(イジングモデル)はC2強磁性体、E1フィードバックおよびE2雑音と深く関連しているので、合わせて理解して欲しい。

参考書

[F1-1] 本間 仁、春日屋伸昌 : 『次元解析・最小2乗法と実験式』 (コロナ社,1957)
[F1-2] キッテル:固体物理学入門 第7版(丸善,1988)
[F1-3] 上田顯 : 『コンピュータ・シミュレーション』(朝倉書店,1990)☆
[F1-4] William G. Hoover著、田中實訳 : 『分子動力学入門』(共立出版,1998)
[F1-5] H. Gould, L. Spornick and J. Tobochnik : 『熱・統計物理学シミュレーション』(海文堂,1996)☆

実験を行なう上での注意

当然のことであるが、以下に述べることを守ること。


応用物理学実験
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