コンピュータは、その名の通り、もともとは「計算機械」として誕生したが、今や、あらゆる種類の情報処理の中核をなす機器として、オフィス、生産現場、家庭など生活の様々な分野に欠かせないものになっている。 研究所や大学の研究室において日常行われる様々な活動(科学計測、データ解析、論文作成、情報収集など)においても例外ではない。 特に、パーソナル・コンピュータと呼ばれる比較的低価格で高性能の小型コンピュータが容易に入手できるようになって以来、この分野でもコンピュータの利用は急速に進んでいる。 |
コンピュータは、データ解析、測定装置の制御等に盛んに用いられ、科学計測の分野に大きな進展をもたらしてきた。 コンピュータを利用することで、計測と解析の効率が格段に進歩し、短時間に大量の測定データを収集し解析することが可能となった。 また、コンピュータの著しい発展の結果、コンピュータは単なる計測の手段にとどまらず、コンピュータを舞台にした理想的な(または現実には実現不可能な)環境下での実験手法(シミュレーション)―いわゆる計算科学が誕生し、現代科学の中できわめて重要な地位を占めつつある。 さらに最近では、研究者にとって情報の発信、交換、受信の手段としてのコンピュータ・ネットワーク(インターネット、電子メールなど)は欠かすことのできない存在になっている。 発表論文の検索・閲覧は言うに及ばず、論文の投稿、未発表論文の調査、情報のやりとりなどがネットワークを介して盛んに行われている。
本実験では、以上のようなコンピュータを利用した様々な研究環境に網羅的に触れることにより、研究遂行上必要となるコンピュータの利用法についてのイメージをもってもらうことを目的としている。なお、本実験で行うコンピュータシミュレーションの1課題(イジングモデル)はC2強磁性体、E1フィードバックおよびE2雑音と深く関連しているので、合わせて理解して欲しい。
当然のことであるが、以下に述べることを守ること。